思わぬ失点を防止するために
マークミスは次のような場合に発生するので特に注意!
1 まとめ塗り・一段抜かし
まず問題冊子に答えを記入し,次にマークシートに転記するわけだが,そのときに設問を抜かすことがあり,一段ずれる。非常に多い。上記のように,まとめ塗りはこまめに行い,その際最初と最後の設問の解答番号を確認する。
2 後回しにした設問
後で解こうと思って抜かしておくと,その設問の解答をマークすべきところに次の問題の答えを塗ってしまい,一段ずれることになる。後回しにする設問には,問題冊子に大きく印を付けること。
3 急いで塗る場合
試験終了直前にごそっと塗る人が案外多い。急いで塗るので,マークミスの確率は格段に上昇する。少なくとも大問ごとに塗るのがよい。また,見直しの時間を確保する。
4 数学の分数
転記ミスを防ぐため,符号など記号も含めて問題冊子にきちんと記入しておく。
思わぬ失点は次のような場合に発生するので特に注意!
5 優柔不断
解けないで考え込み,はまってしまい,他の設問を解く時間がなくなる。英語は問題量が多いので,考え込むくらいなら印を付けて後回しにする。国語は後回しにするとどんな問題だか忘れてしまうことがあるので,暫定的に問題冊子の解答とおぼしき選択肢に△印をつけてから後に行く。
このように,国語・英語の長文問題では,あとで問題文を読み直す時間がなくなる可能性が高いので,暫定解に△印を付けておくことが重要。後で時間がなくなったり混乱したりしたら,とにかく△の番号をマークすればよい。
6 計算のやり直し
焦って最も失敗しやすいのが数学と物理。計算はあわててやってはいけない。途中でどこかおかしいと気づいてはじめからやり直すと,想像以上に時間がかかる。計算は解くときと検算の2回だけで済ませたい。そのためには,最初に解くときにきちんと途中式を記入し,落ち着いて計算する。反対に,計算式が冊子のあちこちに飛んでいるようなケースでは,途中計算がわからなくなり,結局最初からやり直す羽目になる。
7 国語の考えすぎ
国語の読解問題では,文中の表現を根拠にして考えることも大事だが,それでもわからないこともあるだろう。設問によっては,文中に根拠がないか,あるいは何通りも解答があるように見えることもあるかもしれない。そういうときは,選択肢を読んで最もしっくりくるものを素直に選べばよい。
国語の選択肢は非常に巧妙に作られている。ここで銘記してほしいのは,センターの国語読解問題の目的は,「わかっているかどうか」を調べることであって,記号の遊びをさせることではない,ということだ。
最も大事なのは原文の筆者と出題者と受験者の間で,概念が共有され,了解されたかどうかということである。
余談だが,いくら原文を引用し記号論的に解析しても,わかってない人に内容をわからせることはできない。国語の抽象概念を教えるには,「原文とは似ても似つかない話題」や「全く別の概念」と対比させ,あるいは「類似概念」「比喩」「歴史的論点」を駆使して,知性の奥深くに突き刺さるような授業をしないといけない。
その点,センターの国語には,きちんと国語を勉強した人にしか選べないだろうな,と思わせる素朴な選択肢がいくつかあり,好ましく思う。
8 難易度の観測間違い
数学や理科などで,易しい設問が並んだ後に,最後のほうの設問だけが異様に難しいことがある。これは点差をつけるための問題だが,センターだからとついつい甘く見て,さらりと解いてしまうと,思いのほか複雑で計算が混乱したり条件を忘れてしまったりする。「ちょっとムズいな」と思ったら,十分な計算スペースを確保し,その気で本腰を入れて解くのがよい。 |